新規事業開発
ソリューション力強化
プリント基板受託下請けから
農業IoTビジネスへ
脱下請けは、イノベーションの中でも重要なテーマです。当社の技術を農業の最先端分野へ応用いたします。
CASE STUDY 実際の事例
長年、プリント基板の受託ビジネスを行ってきましたが、下請け構造からなかなか利益率が改善せず、給与面も含めた待遇改善もままならない状態に。営業力も強くないため、顧客にいわれた価格で仕事を受けてしまうケースが非常に多くありました。そんな中、利益率を向上させ待遇を改善すべく、自社の強みを活かした新規事業を進めることになったのです。
SOLUTION 当社による解決
自社の隠れた強みを活かし
「成長産業:農業IoT分野への
進出」
農業分野に進出する中で、プリント基板受託ビジネスのどういった強みを活かすかがポイントでした。ただ、真の自社の強みというのは自社ではわからないことが多いため、コンサルティング活動を通じて、潜在的な強みを発掘し、それを農業IoTビジネスに活かすことに。
具体的には、自社が基板の設計と製造の一貫対応ができるという、一見するとよくでてきそうな強みを、このビジネスに活かしました。
施設園芸(ビニールハウス)向け農業IoTビジネスは、まだスタートしたばかりであったため、ハウス農家さんの要望が固まっていませんでした。要望が固まっていないということは、仕様変更などが頻繁に起こる可能性があるということ。
もし、基板設計、製造を外注しているとすると、そのたびに費用と時間がかかってしまう。しかも数か月単位の時間がかかってしまうため、農家さんのニーズに迅速に対応できなくなっていました。
ところが、この企業では、自社で設計・製造の一貫対応が可能であったため、外注している競合に比べて農家さんからのニーズ対応が圧倒的に早くなり、それによって農家さんからの信頼を得られるという結果につながったのです。
POINT 気をつけたいポイント
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自社の強みは自社にはわからない
企業における自社の強みを分析する方法として、SWOT分析などを行います。ところが、これを自社内で行ってしまうと、なかなか客観性が担保できず、内容も薄いものが多くなります。自社の強みは他人が見るからこそわかる。ここは注意点です。 -
成長産業を見誤らない
成長産業=参入余地とは限りません。世の中では、CASE(次世代自動車)、5G(次世代通信)、ロボット、IoT、AI、農業、ヘルスケアなどが成長分野といわれていますが、その市場に参入するだけで自動的に売り上げが上がることはありません。その市場における参入余地を見つけ出す必要があります。 -
真の顧客ニーズを探索する
顧客からでてくるニーズをそのままビジネスにするのはおすすめしません。昨今の顧客志向の中、顧客の声がものすごく強くなってきています。ところが、それが危険性をはらんでいることも。例えば、「小さいものが欲しい」という特定の顧客のニーズに対して、すぐに反応し「小さいものをつくる」のはおすすめできません。「なぜ小さいものがいるか」という問題背景を聞かない状態では真のニーズとはいえないのです。先ほどの「小さいものが欲しい」というニーズは、もしかしたら、その企業の担当者が単に自分の意見を言っているだけかもしれません。それが本当に困っているなら、どれぐらい困っているかなどを聞かないと真のニーズとはいえないのです。